人工知能開発を止められない不安
トルーパー501です。
今回は、人工知能開発について。
人工知能が脅威になることは何度も書いてきました。
すると、当然、人工知能開発を止めればいいじゃないか、という意見も出てきます。
メディアで何度も指摘され、素人でも脅威になると分かっているようなら、止めればいいじゃないか。
その通りです。開発を止めれば、人工知能は進化せず、脅威にもなりません。
しかし、そうできないのが現実です。
理由は、人類の発展に必要だからです。
人類は、限界に直面したとき、必ずテクノロジーによって解決してきました。
記憶力の限界という問題には文字というテクノロジーを開発し、生産力の限界には機械を開発し、移動の限界には機関車や自動車を開発して解決してきました。
そして、限界を越えることで、発展し、豊かな生活をてに入れてきました。
そして、現在は、労働力と知能の限界を、人工知能によって、解決しようとしています。
世界中で、経済が発展し、より高度な労働力が必要となりました。しかし、教育がそれに追い付かず、労働力不足と就職難が同時に引き起こされるという、矛盾した状況になりました。
今の労働に求められるのは、画期的な付加価値を創造する発想力です。
しかし、それを持っている人間がいないのです。
そこで、人工知能という、人類を遥かに凌ぐ記憶力と発想力を持った機械によって、それを解決しようとしています。
この、人工知能が開発されれば、人類はより多くの記憶と発想を得て、発展することができます。
これまで限界と思われていたものを上回ることで、より進化したものになります。
このように、人工知能は人類全体で見れば、必要なものなのです。
しかし、それに伴って多くの犠牲が出るのも事実です。これまでにも、文字が開発されれば記憶力の優れた人は価値を下げられました。機械が開発されれば職人は職を失いました。機関車や車が作られれば、馬車やかごの操縦者は仕事が減りました。
人工知能も同様に大きな犠牲を産み出します。史上最大の規模で。
世界の半分が職を失うなど、前代未聞です。
余りにも多すぎする犠牲です。
一方で、新しい技術を提供する側が莫大な利益を得られるのも事実です。文字を使いこなせれば多くの職をてに入れられ、人に教えることで収入を得られる時代もありました。金で機械を買って工場に導入し、安い製品を大量に売ることで莫大な利益を得る人もいました。機関車や車を使わせる代わりに運賃を取り、利益を上げる人もいました。
そして、人工知能という、史上最高レベルの機械を作るという、史上最大の専門性を持ち、提供する人は、史上最大の利益を得るでしょう。
先述の職を失う人との格差は恐ろしいものとなります。
世界が半分に分断される。そういう時代になるのです。